厳選コラム・ニュース

2021/10/19
今注目の投資戦略
株式ロング/ショート戦略の投資機会:未来志向を買い持ち、過去依存を空売り

<株式ロング/ショート戦略の投資機会:未来志向を買い持ち、過去依存を空売り>

「写真を1枚、2枚と数えるのはなぜ?むしろピクセル、バイトじゃないの?」と、アナログ世代には笑えない質問を受けるような時代――。幼少期からインターネット、スマートフォン、SNSなど情報技術(IT)・デジタル技術に馴染んだ環境の中で生活しているデジタル・ネイティブ世代にとっては素朴な疑問だろう。

次世代モバイル通信の5G/6GEC(電子商取引)、AI(人工知能)による物流の効率化や小売業の在庫管理とレジ無人化、EV(電気自動車)の自動運転など、製造業やサービス業を問わず、ほぼ全ての産業においてデジタル・トランスフォーメーションDX)化が進展する見通しだ。

新興企業が斬新なビジネスモデルで存在感を強め、破壊者(ディスラプター)と呼ばれる半面、破壊される者(ディスラプテッド)との間で、業績の格差が拡大し、株価にばらつきが増大する流れが一段と加速することを示唆する。

<DX化によるビジネスモデル変革で企業の業績・株価が二極化>

今後はIT・デジタル技術を用いて、製品・サービスの付加価値、利便性、効率性などを高めて消費者行動の変化に迅速に対応できる企業と、従来型のビジネスモデルから脱却できない企業へ二極化が進むと予想される。

今夏には、米国ハイテク企業のGAFA(親会社アルファベットを含むグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)と日本株全体の時価総額が逆転した。高い成長力を誇るGAFAの存在感は米株式市場の中でも際立っており、S&P500株価指数の採用銘柄の時価総額のうち、GAFAだけで2割近くを占める。

Column9-graph1r.png

<インフレ圧力の高まりと金利上昇などに伴い銘柄選別が進む市場展開へ>

足元ではインフレ圧力や金利上昇など世界的な経済環境に変化が生じてきている。インフレ先行指標であり世界的な物価や景気動向を示す商品先物指数トムソン・ロイター・コアコモディティーCRB指数は、2021年10月(月足)に233.08となり、2014年11月(254.37)以来、約7年ぶり高水準を付けた。同指数は、原油、金、アルミニウム、大豆など国際商品市況の総合的な値動きを示す。

Column9graph2revised.png

(出所:QUICK

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は9月29日、欧州中央銀行(ECB)がオンライン形式で主催した金融シンポジウムで、米金融政策について、量的緩和策の段階的縮小(テーパリング)開始の条件を満たしつつあるとの見解を示した。

<ヘッジ・ファンド業界では株式ロング/ショート戦略に収益機会>

世界経済や金融市場が大きく変化する局面では、従来型のビジネスモデルが通用しなくなり、激変する環境に素早く適応できる対応力が企業にも求められる。

欧米の中央銀行を中心に、テーパリングに向けた議論が始まる中、過剰流動性に支えられた金融相場から、企業の業績・成長戦略などファンダメンタルズに基づく株式の選別傾向が鮮明になるだろう。

長期的なデジタリゼーションの流れを先取りして、新規事業や事業拡大を図ることができる能力が、企業の持続的な成長性を高めることになる。

しかし過大な借入金や社債などにより、負債比率が高い企業では、資金繰りがひっ迫し、資金調達が困難になる可能性がある。企業のキャッシュフロー創出力による株価に及ぼす影響が高まり、株価にもばらつきが生じると見込まれる。

ヘッジ・ファンド業界では、勝ち組企業をロング(買い持ち)にし、負け組企業をショート(売り持ち)にする株式ロング/ショート戦略により収益機会を狙う動きが強まりそうだ。

10月11日付の共同通信によると、英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズは「家庭教師のトライ」を手掛けるトライグループ(東京)を1千億円程度で買収する。買収後は、新型コロナウイルス禍で需要が拡大したオンライン教育を充実させる。トライは非上場だが、CVCは買収後34年で上場させる意向だ。

参照:

GAFA、時価総額で日本株超え 安定収益が資金呼ぶ: 日本経済新聞 (nikkei.com)
FRB二大責務の「緊張」解消が最大の課題=パウエル議長 | Reuters
「家庭教師のトライ」買収へ 英ファンド、1000億円で(共同通信) - Yahoo!ニュース

【広告審査番号:AD2021039】

関連コンテンツ